マウスピース矯正のデメリットと注意点!おすすめしない方とは?

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

マウスピース矯正のデメリットは、装着時間をご自身で管理しなければならないことや、食事の際に毎回歯磨きやマウスピースのお手入れが必要なことが挙げられます。

本記事では、マウスピース矯正のデメリット・メリットと注意点、マウスピース矯正をおすすめしない方について解説します。

マウスピース矯正のデメリット

デメリットをあらわすイメージ

マウスピース矯正は、矯正装置が目立ちにくいなどのメリットが注目されていますが、デメリットについても知っておく必要があります。後悔しないよう、マウスピース矯正のデメリットについて理解しましょう。

マウスピース矯正のデメリットは、以下のとおりです。

自己管理が必要となる

マウスピース矯正は、矯正装置がご自身で取り外し可能ですが、便利さと引き換えに「自己管理能力」が問われます。装着時間の厳守だけでなく、日々の歯磨きやマウスピースのお手入れが重要です。

食後の歯磨きやマウスピースの洗浄をおこたると、食べ物の残りかすや細菌がマウスピース内に残り、虫歯や歯周病を引き起こす可能性があります。特に、マウスピース装着中は歯が覆われるため、唾液による自浄作用が働きにくく、細菌感染リスクが高まります。

マウスピース矯正は、便利さや快適さと同時に、一定の自己管理能力を必要とする治療法です。装着時間の管理や口腔ケアの徹底が求められますが、ルールを守れば予測どおりの治療結果が得られるでしょう。

装着時間が短いと治療期間が長くなる

マウスピース矯正は、1日20~22時間以上の装着が必要とされています。装着時間を守らないと歯が計画どおりに動かないため、新しいマウスピースが合わなくなることがあります。結果、マウスピースの再作製や治療計画の立て直しといった、余計な手間とコストが発生することもあるでしょう。

マウスピース矯正は、装着時間を守ることが非常に重要です。

破損や紛失する可能性がある

硬い食べ物を噛んだ際にマウスピースをつけたままにすると、破損するリスクがあります。また、飲食物の色素がマウスピースに付着し、変色を引き起こす可能性もあります。食事のときは必ずマウスピースを外しましょう。

さらに、マウスピースは、プラスチック素材で約0.5mmとかなり薄い矯正装置です。取り外したマウスピースをそのままテーブルなどに置くと、誤ってマウスピースの上に物を置くリスクやマウスピースを落として踏みつけるリスクがあります。

また、専用ケースに入れずにティッシュペーパーに包んだ場合、ゴミとして捨ててしまうこともあるでしょう。ポケットやカバンに直接入れるのも危険です。外から圧力がかかって変形したり、取り出すときに落としたりするリスクがあるからです。

適応できない症例がある

マウスピース矯正は、すべての症例に適応できるわけではありません。マウスピース矯正は、歯を徐々に動かすことで歯並びを整える方法のため、移動量が大きい症例は適応が難しいです。

たとえば、重度の叢生(凸凹な歯並び)や重度の出っ歯、重度の受け口などは、マウスピース矯正だけでは治療が難しい症例です。また、矯正にあたって抜歯が必要となり、その結果、歯の移動量が大きくなるケースもマウスピース矯正が適応できない可能性があります。

ただし、場合によっては、ワイヤー矯正と併用することで矯正可能となることもあります。

マウスピース矯正のメリット

メリットをあらわすイメージ

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と違って自己管理が必要といったデメリットがありますが、大きなメリットがあることも事実です。マウスピース矯正は、ルールを守ればワイヤー矯正よりもストレスなく治療を進められます。

マウスピース矯正のメリットは、以下のとおりです。

矯正装置が目立ちにくい

マウスピース矯正は、約0.5mmのプラスチック製の装置です。歯にぴったりと密着するため、装着していることが目立ちにくく、日常生活におけるストレスが大幅に軽減します。

ワイヤー矯正の場合、矯正装置が目立つため、口を大きく開けることや笑うことをためらう方も少なくありません。

しかし、マウスピースは透明な素材で作られているため、目立ちにくく、会話や食事、写真撮影など、日常生活のあらゆる場面で快適に過ごせるでしょう。

食事や歯磨きのときに取り外せる

マウスピース矯正の大きな魅力のひとつは、食事や歯磨きのときに取り外せる点です。

ワイヤー矯正は、ワイヤーに食べ物が詰まることや食事内容に制限が出ることがありますが、マウスピース矯正の場合、食事のときは、マウスピースを外すことで制限なく食事を楽しむことができます。また、歯磨きのときもマウスピースを取り外せるため、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、より丁寧に食べかすや歯垢を除去することが可能です。ワイヤー矯正のように、矯正装置をつけたままの歯磨きより、虫歯のリスクを軽減できるでしょう。

ただし、マウスピース矯正でも、歯磨きやマウスピースの洗浄をおこたると、虫歯や歯周病のリスクが増大します。マウスピース矯正は自己管理能力が求められることを理解し、徹底した口腔ケアを心がけることが重要です。

痛みや違和感が少ない

ブラケットとワイヤーを使用するワイヤー矯正は、装置が厚いため違和感が残りやすいデメリットがあります。さらに、装置が金属であるため、口内に接触することで口内炎を引き起こすリスクや舌を傷つけるリスクがあります。矯正中のトラブルは患者さまにとって大きなストレスとなり、治療のモチベーションを下げる原因となるでしょう。

一方、マウスピース矯正は、装置が柔らかいプラスチック製であるため、口の中で触れても痛みを感じにくいメリットがあります。さらに、マウスピースの薄さはわずか約0.5mmと非常に薄いため、歯にしっかりとフィットします。慣れると、違和感が残ることはほとんどないでしょう。

治療結果を事前に確認できる

マウスピース矯正では、最新の3Dスキャン技術を利用して、事前に詳細なシミュレーションを作成します。事前に治療結果が確認できることで、患者さまのモチベーションアップにつながるでしょう。

矯正治療は時間と労力が必要ですが、治療結果を具体的にイメージできれば、治療への意欲につながります。

金属アレルギーの心配がない

マウスピース矯正で使用するマウスピースは、プラスチック製で金属を含まないため、金属アレルギーのある方でも安心して矯正が受けられます。

マウスピース矯正をするうえでの注意点

警告をあらわすマーク

マウスピース矯正では、装着時間と口腔ケアが重要です。特に、マウスピースのお手入れは気をつけるべき点がいくつかあります。以下に、詳しく説明します。

食事のときは必ずマウスピースを外す

マウスピースを装着したまま食事すると、マウスピースが破損する可能性があります。特に、硬い食べ物を噛んだ場合や高温の飲食物を摂取した場合は、マウスピースの破損や変形のリスクが高まります。

万が一、マウスピースが破損した場合、再作製が必要となることもあるでしょう。マウスピースを再作製すると、治療期間が延びたり治療費が増えたりすることがあるので、食事のときは必ずマウスピースを外すことが大切です。

また、マウスピースが破損していなくても、装着したまま食事することでマウスピースに細かな傷がつくことがあります。見た目にはわからないほど細かい傷でも、できた傷に細菌が溜まると口腔内の衛生状態を悪化させる可能性があります。細菌の増殖は、口臭や虫歯、歯周病といったリスクを引き起こす可能性があるので、食事のときのマウスピースの取り扱いには十分な注意が必要です。

マウスピース装着中は水のみ摂取する

マウスピース装着中に摂取できる飲み物は、水のみです。ジュースやスポーツドリンクなど糖分が含まれる飲み物は、マウスピースと歯の間に糖が入り込むことで、虫歯のリスクが高まります。さらに、コーヒーや紅茶などの着色成分が含まれる飲み物は、マウスピースを変色させる原因になります。透明なマウスピースが変色し、矯正装置が目立つようになるでしょう。

また、マウスピースはプラスチック製なので、高温に弱い特徴があります。お湯など高温の飲み物を摂取すると、マウスピースが変形するリスクがあります。マウスピースが変形するとフィット感が落ち、矯正効果が低下するかもしれません。

食事のあとは歯磨きしてからマウスピースを装着する

食事のあと、口内に食べかすが残ることがあります。食べかすが残ったままマウスピースを装着すると、マウスピースと歯の間で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病のリスクを高めるでしょう。

通常、唾液は自浄作用があり、口内を清潔に保ち、食事によって酸性に傾いた口内のpHを中性に戻す働きがあります。

しかし、マウスピースを装着すると唾液の自浄作用がさまたげられ、酸性の環境が維持されやすくなります。酸性の口内は虫歯菌の増殖に最適な環境であるため、虫歯のリスクを増加させる原因となるでしょう。

食事後は必ず歯磨きし、口内の汚れをしっかりと落とすことが重要です。マウスピースも一緒に洗浄することで、常に清潔な状態を保つことができます。

装着時間を守る

マウスピースの装着時間は1日20~22時間以上であり、装着時間が満たないと歯が計画どおりに動かない可能性があります。治療計画が大幅に遅れると、新たに作製したマウスピースが合わなくなり、再作製が必要となることもあります。

治療を効果的に進めるには、マウスピースの装着時間を厳守することが大切です。食事や歯磨きのあとにマウスピースをつけ忘れないよう、十分に注意しましょう。

保管するときは専用ケースに入れる

マウスピースを取り外したときは、必ず専用ケースに入れましょう。落下により破損してしまう、ゴミと間違って捨ててしまうといった事故を防ぐことができます。特に、外出時はマウスピースの取り扱いに注意が必要です。面倒くさいからといってポケットやバッグに直接入れる方もいますが、外からの圧力によりマウスピースが破損するリスクがあります。

また、ティッシュペーパーでマウスピースを包む方もいますが、ティッシュはゴミと混同しやすく、マウスピースを間違って捨ててしまったり、ティッシュのうえから衝撃が加わったときにマウスピースが変形したりする可能性があります。外出時も常に専用ケースをもち歩き、マウスピースを取り外したときは必ず専用ケースに入れましょう。

マウスピース洗浄ではお湯・歯磨き粉を使わない

マウスピースの洗浄は、流水だけで十分です。手指や歯ブラシを使って、優しく汚れを落とすことがポイントです。

マウスピースの洗浄の際、お湯は使用しないでください。マウスピースはプラスチック製なので、お湯を使用すると変形してしまう可能性があります。

また、歯磨き粉で洗うこともさけましょう。多くの歯磨き粉は研磨剤が含まれており、小さな粒子がマウスピースの表面を傷つける原因になります。マウスピースに傷がつくと、傷に細菌が溜まり口腔内が不衛生になります。

マウスピース矯正をおすすめしない方

両手でバツマークをあらわす歯科医師

マウスピース矯正をおすすめしない方は、以下のとおりです。

  • 自己管理が苦手な方
  • 生活習慣が不規則な方

自己管理が苦手な方は、マウスピース矯正をおすすめしません。マウスピース矯正は取り外しができることから、装着時間や口腔ケアなどの自己管理が重要です。マウスピースは1日20~22時間以上の着用が必要です。装着時間を守らないと、歯が計画どおりに動かず、治療期間が延びる可能性があります。

さらに、マウスピースを取り外したあとは必ず洗浄し、再装着する前に歯磨きする必要があります。自己管理が苦手な方は、治療結果に影響をおよぼす可能性があるのです。

また、生活習慣が不規則な方もマウスピース矯正をおすすめしません。食事の時間が異なる場合や深夜に飲食する習慣がある場合、マウスピースの着用時間が確保できず、治療が遅れます。睡眠時間が不足すると口腔内の自浄作用も低下し、虫歯や歯周病のリスクが上がる可能性があります。

マウスピース矯正を行う場合は、一定の自己管理能力と規則正しい生活習慣が求められることを覚えておきましょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

マウスピース矯正は取り外し可能なため、装着時間をご自身で管理しなければいけない、食事ごとに歯磨きやマウスピースを洗浄しなければいけないといったデメリットがあります。

しかし、デメリットや注意点をしっかりと理解すれば、矯正中のトラブルを防げます。マウスピース矯正はルールさえ守れば、メリットの大きい矯正方法といえるでしょう。

マウスピース矯正を検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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