こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。
歯列矯正にかかる治療期間には個人差がありますが、一般的に1〜3年程度といわれています。
「マウスピースをつけると滑舌が悪くなるのでは?」「マウスピースをつけることで長期間滑舌が悪い状態が続くと仕事に支障が出る」と気にされる方は多いかもしれません。
インビザラインでは0.5mmほどの薄いマウスピースを使用するため、滑舌に影響を与えにくいといわれています。
しかし、なかにはマウスピース装着時に滑舌の悪さを感じる方もいるでしょう。インビザライン矯正中に滑舌の悪さを感じたらどうしたらよいのでしょうか。
今回は、インビザラインで滑舌が悪くなる原因や発音しにくい音、滑舌の悪さを改善する方法などについて解説します。
インビザラインとは?
インビザラインとはアメリカの「アライン・テクノロジー社」が開発した矯正治療のシステムです。マウスピースを1日20〜22時間装着し、1〜2週間ごとに少しずつ形の違うマウスピースに交換していくことで歯を動かしていく矯正方法です。
マウスピースは透明で取り外しができるので、歯列矯正中の見た目が気になるという方でも挑戦しやすいというメリットがあります。
装置の特徴
インビザラインで使用するマウスピースの厚さは0.5mm程度です。透明で薄いマウスピースを使用するので、目立ちにくいことはもちろん、口に入れた時の違和感も少ないでしょう。
ワイヤー矯正で使用する装置は歯の表面に「ブラケット」や「ワイヤー」などの装置が付くため、厚みや装置の凹凸によって違和感をおぼえる方もいます。
一方で、インビザラインで使用するマウスピースは凹凸のない滑らかな素材のため、舌や唇が巻き込まれる心配は少ないでしょう。
インビザライン矯正中は滑舌が悪くなるの?
インビザラインのマウスピースは比較的薄く、滑舌に大きな影響を与えにくい矯正方法ですが、矯正装置が口に入っていることに変わりはないため、何もつけていない時に比べると違和感や異物感を覚えることはあるでしょう。
インビザライン矯正中に滑舌が悪くなったと感じる原因には、おもに以下のようなものがあります。
- マウスピースが舌に触れるから
- マウスピースが変形しているから
- マウスピースが正しく装着できていないから
- 口が乾燥するから
一つひとつ詳しく見ていきましょう。
マウスピースが舌に触れるから
上述のとおり、インビザラインで使用するマウスピースは0.5mm程度と薄いです。
しかし、マウスピースが舌に触れたり、舌の動きを制限したりするため発音に影響がでることがあります。
マウスピースが変形しているから
マウスピースは柔らかい素材でできているため着脱の際に強い力を加えたり、管理方法が悪かったりすると変形することがあります。変形すると歯にうまくフィットせず、浮いて発音しにくいと感じることがあります。
マウスピースの変形は、発音に影響を与える以外にも、治療が計画通りに進まなくなる恐れもあるので注意が必要です。
マウスピースが正しく装着できていないから
マウスピースが正しく装着できていないと違和感が生じて、滑舌が悪くなったと感じることがあります。マウスピースが歯にしっかりとフィットしていない場合や、装着の方法に問題がある場合に滑舌の悪さを感じることがあるでしょう。
口が乾燥するから
マウスピースをつけると、口が閉じにくくなり、口内が乾燥することがあります。口が乾燥すると、話し始めにつっかえることや、うまく舌が回らないように感じることがあるでしょう。
インビザラインのマウスピース装着時に発音しにくい音
インビザライン矯正中に特に発音しづらい音は「サ行」「タ行」「ラ行」です。これらの音は舌を使って発音するため、舌の動きが制限されるインビザライン矯正では発音に影響がでることがあります。
インビザライン矯正中の滑舌の悪さを改善する方法
仕事などで人前で話す機会が多い方などは「少しでも早く滑舌をよくしたい」と感じる方もいるでしょう。
滑舌が悪くなったと感じたらどうしたらよいか、以下に解説します。
マウスピースを装着してたくさん話す
インビザライン矯正中の滑舌の悪さは、マウスピースに慣れれば徐々に解消されることがほとんどです。そのため、マウスピースをつけたままできるだけたくさん話すとよいでしょう。
自宅などでマウスピースをつけたまま早口言葉の練習をしたり、舌や口の動きを意識していつもよりはっきり話したりすることで改善される場合があります。
マウスピースの装着方法を確認する
時間が経っても滑舌が一向に良くならない場合や違和感が改善されない場合は、マウスピースが正しく装着できていない可能性があるため、以下のことを確認しましょう。
- マウスピースが変形していないか
- マウスピースを正しく装着できているか
それぞれ詳しく解説します。
マウスピースが変形していないか
上述のとおり、マウスピースが変形していると滑舌に影響が出ることがあります。一部分の歯に強い力がかかっている場合はマウスピースが変形・破損している可能性があります。
また、マウスピースを熱いお湯で洗っている場合や、熱いもののそばで保管している場合は変形・破損しやすいでしょう。
マウスピースが変形・破損すると作り直しが必要になる場合もあるため、自分で修理しようとせず、なるべく早く歯科医師に相談してください。
マウスピースを正しく装着できているか
マウスピースが奥までしっかり装着できていないと滑舌に影響が出る場合があります。装着する時は、歯を使って噛んでつけるのではなく、指で奥まで押し込みましょう。
また、チューイーを使用するのもひとつの方法です。チューイーとは、マウスピースをしっかりと歯にフィットさせるために噛んで使用するロール状のチューブです。
このようなアイテムを使ってマウスピースと歯をしっかりと密着させることで、滑舌の悪さを改善できる場合があります。
マウスピースを取り外して会話をするときの注意点
人と会話をするときにマウスピースを取り外したいという方もいるでしょう。
マウスピースを取り外して人と話をするときは、以下の点に注意しましょう。
- 長時間外したままにしない
- 保管する時は専用のケースを使用する
それぞれ詳しく解説します。
長時間外したままにしない
会話の際にマウスピースを取り外すと、その後装着するのを忘れる可能性があります。また、何度もつけたり外したりしていると「今日は少ししかマウスピースをつけられなかった」ということもあるでしょう。
インビザライン矯正ではマウスピースを1日20〜22時間装着しなければ、計画通りに歯が動きません。
人と話をするためにマウスピースを外すときはできるだけ短い時間にして、会話を終えたら速やかにマウスピースを装着しましょう。1日20〜22時間の装着時間を守れなかったときは、次の日の装着時間を長めにするなどして対応してください。
保管する時は専用のケースを使用する
マウスピースを外した時に、ティッシュにくるんで保管したり、場所を決めずに色々な場所に置いたりすると、紛失・破損する恐れがあります。
マウスピースを紛失・破損して作り直しが必要になると、新しいマウスピースが届くまで時間がかかるため、治療期間が延びる可能性があります。
人と会話をする際にマウスピースを取り外したら専用のケースに保管する習慣を身につけましょう。
まとめ
今回は、インビザライン矯正中の滑舌の悪さを改善する方法や、マウスピースの正しい装着方法などについて解説しました。
インビザライン矯正中はマウスピースが舌に触れることや、うまく装着できていないことが原因で、滑舌に影響が出ることがあります。矯正装置に慣れれば、滑舌が気にならなくなることもあるでしょう。
インビザライン矯正中に滑舌の悪さを感じたら、マウスピースが変形・破損していないか、また正しく装着できているか確認してください。
マウスピースが変形・破損していることで滑舌に影響が出ている場合は、マウスピースの作り直しが必要になる可能性があります。マウスピースが歯にフィットしていないことで滑舌に影響が出ている場合には、装着方法を見直すことで改善される場合があるでしょう。
インビザライン矯正中の滑舌について気になる方は、この記事をぜひ参考にしてください。
インビザラインを検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。