インビザラインで失敗した例とその原因!失敗しないため対策も解説!

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

インビザラインに興味はあるけれど、失敗しないか心配という方もいらっしゃるでしょう。どのような治療にも失敗例があり、治療を受けなければよかったと後悔する人が少なからずいます。

治療の良い面だけでなく、悪い面も知っておくことが大切です。問題点やリスクをあらかじめ把握しておけば、適切に対処して回避することもできるでしょう。

今回は、インビザラインの失敗例とその原因について解説します。失敗を避けるための対策もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザライン治療

インビザラインは、マウスピース型の矯正装置を用いた矯正治療です。マウスピースを1~2週間ごとに交換し、理想的な歯並びに導きます。

マウスピースは透明なプラスチックでできており非常に薄いため、かなり近づかないと装着していることに気づきません。取り外しが可能で、食事や歯磨きの際に外すことができるので衛生的です。

従来のワイヤー矯正のようにブラケットを用いた固定式の装置を使わないことが特徴でしょう。装置による違和感や喋りにくさ、金属アレルギーといった問題が生じません。

軽度から中程度の歯列不正の改善を得意としており、治療期間が短く費用が抑えられる部分矯正にも対応しています。

一方、ワイヤー矯正に比べると歯を大きく動かすことが苦手で、重度の歯列不正の場合はインビザラインだけで治療を完結できないこともあります。

インビザラインのメリット

インビザラインのメリットイメージ

インビザラインのメリットを確認しましょう。

目立ちにくい

インビザラインでは、透明なマウスピース型の装置を使用します。金属のブラケットやワイヤーによる従来の矯正装置とは異なり、矯正をしていることがわかりにくいのが特徴です。

学校や職場など、人目が気になる場所で矯正治療を継続する人にとっては大きなメリットです。他人の視線を意識せずに日常生活を送ることができ、精神的なストレスを軽減できます。

お手入れしやすく虫歯になりにくい

マウスピースはプラスチック製で表面が滑らかなので、金属のブラケットに比べて汚れが付着しにくいです。食事や歯磨きのときにはマウスピースを外すため、口腔内のケアやマウスピースのお手入れもしやすく、虫歯や歯周病のリスクを軽減できるメリットがあります。

矯正後の姿をイメージしやすい

インビザラインでは、シミュレーションによって矯正開始から完了までの過程を確認できます。治療開始前に、最終的な歯の位置や噛み合わせをイメージできるので、安心して治療に専念できます。

また、マウスピースを交換しながら少しずつ歯を移動させていくので、治療途中の歯の動き方をある程度予測することが可能です。理想の歯並びに向けて着実に治療を進めることができます。

インビザラインのデメリット

インビザラインのデメリットイメージ

インビザラインのデメリットを確認しましょう。

治療期間が長くなることがある

インビザラインはマウスピースによって徐々に歯を移動させるため、一度に大きく歯を動かすことが苦手です。そのため、大きな歯の移動が必要な場合は、ワイヤー矯正に比べて治療期間が長くなることがあります。

例えば、前歯が大きく突出しているなど、大きな歯の移動が必要なケースでは、インビザラインよりもワイヤー矯正のほうが治療期間が短いかもしれません。

インビザライン単独では治療できないことがある

インビザラインは、歯並びや顎の骨の形状によっては適応とならないことがあります。上下の顎が大きくずれている出っ歯や受け口などが挙げられるでしょう。

また、抜歯を伴う場合などは、ワイヤー矯正を併用することもあります。重度の歯列不正に対して単独で治療を完結できないのは、インビザラインのデメリットです。

自己管理を徹底する必要がある

インビザラインでは、マウスピースを1日20~22時間程度装着する必要があります。装着時間を守らないと治療の進展が遅れたり、期待通りの効果が得られなかったりします。

いつでも外せるのはインビザラインのメリットですが、付けないまま過ごすこともできる点はデメリットです。

インビザラインは、自己管理ができ自分でマウスピースをしっかり装着できる人から選ばれています。

インビザラインで失敗した例

インビザラインの失敗について考える人

インビザラインで失敗した例をご紹介します。失敗した原因についても確認しましょう。

噛み合わせが悪くなる

インビザラインの治療を受けたことで、上下の歯が適切に接触しなくなるなど、噛み合わせが悪くなることがあります。

噛み合わせが悪くなると、食事の際に食べ物をしっかり噛むことができなくなります。胃腸の負担が増加するでしょう。

また、歯や顎の関節にも負担をかけ、顎関節症や歯の摩耗などの問題に発展することがあります。

噛み合わせが悪くなる原因

噛み合わせが悪くなる原因として考えられるのは、見た目だけを重視した無理な治療計画です。歯の移動計画が適切ではない場合、噛み合わせが悪くなるリスクがあります。

また、インビザラインを正しく装着しない、装着時間を守らない、といった場合も噛み合わせが悪くなることがあります。

歯根吸収が起こる

歯根吸収とは、歯を支える歯槽骨が吸収されることです。歯根吸収が進行すると、歯根部が露出して歯が長く見えるようになります。

また、歯根が露出すると歯と歯の間の隙間が目立ちやすくなります。

歯根吸収が進行する原因

歯根吸収が進行する原因としては、矯正治療の際に歯に過剰な力がかかったことなどが考えられます。過剰な力が加わると歯を支える歯槽骨が吸収され、歯根部が露出します。

治療計画が適切でない場合や、治療の進行が早すぎる場合は歯根吸収のリスクが高まります。

ブラックトライアングルが目立つ

ブラックトライアングルとは、歯と歯の間にできる黒い三角形の隙間のことです。前述の歯根吸収により歯根部が露出すると、ブラックトライアングルが目立ちやすくなります。

ブラックトライアングルがあると食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病の原因になることもあります。

ブラックトライアングルが目立つようになる原因

ブラックトライアングルが目立つ主な原因は、歯根吸収です。また、矯正治療によって、もともと腫れていた歯茎が引き締まり、ボリュームが減ることでブラックトライアングルが目立つようになることがあります。

治療後に後戻りが起こる

矯正治療が完了し、理想的な歯並びが得られた後でも、歯並びを維持するためには保定期間が必要です。保定期間を疎かにすると、移動した歯が元の位置に戻ろうと動き、後戻りが起こります。

後戻りが起こると、再度矯正治療が必要になるかもしれません。治療期間が長くなり、追加の治療費も発生します。

後戻りが起こる原因

インビザライン治療後に後戻りが起こる主な原因は、保定期間を怠ることです。矯正治療が完了したからといって、保定期間をないがしろにすると、歯が元の位置に戻ってしまいます。

虫歯や歯周病が悪化する

矯正治療中に口腔内を不衛生にしていると、虫歯や歯周病が発生・進行します。虫歯や歯周病が悪化すると、矯正治療を中断して虫歯や歯周病の治療を優先する必要が生じます。これにより、治療期間が長くなり追加の治療費が発生します。

虫歯や歯周病が悪化する原因

インビザラインの治療中に虫歯や歯周病が悪化する原因は、口腔内が不衛生な状態になることです。インビザラインでは、マウスピースを固定するためのアタッチメントを歯に取り付けることがあります。

マウスピースは取り外しできますが、アタッチメントは取り外しできません。汚れが溜まりやすく、ケアを怠ると虫歯や歯周病につながります。

インビザラインで失敗しないための対策

インビザラインで失敗しないための対策リスト

インビザラインによる治療の失敗は、次にご紹介する対策によって防ぐことができます。

マウスピースを正しく装着する

マウスピースを正しく装着しないと、歯に適切な圧力がかからず、治療効果が得られない可能性があります。また、マウスピースが歯列にしっかりと密着していないと、マウスピースの破損につながります。

マウスピースは、前歯部分が大きいものが上顎側、小さいものが下顎側です。装着する際は、前歯から始めて奥歯に向かって指で押さえ、マウスピースを歯列にしっかりと密着させることが大切です。

マウスピースを付け忘れないために、毎日のルーティンにマウスピースの装着時間を組み込み、必要ならタイマーやリマインダーを活用するとよいでしょう。

歯とマウスピースを清潔に保つ

歯とマウスピースを清潔に保つことは、口腔内の健康を維持し、治療効果を高めるために重要です。マウスピースが汚れていると、口臭や虫歯の原因になります。

マウスピースの洗浄は食後に行います。水を流しながら指でこすり洗いすることが推奨されています。

歯磨き粉を使ってゴシゴシこするとマウスピースに傷がつき、雑菌が繁殖しやすくなるので注意しましょう。

必要な場合はIPRや抜歯を採用する

インビザラインでは、歯と歯の間のスペースを作るために、小さく歯を削るIPRや、抜歯を行うことがあります。

IPRや抜歯は、歯を削る・抜くことへの抵抗感から、必要性を理解せずに避ける方がいます。これらの処置は、歯の位置を調整し理想的な歯並びを実現するために非常に重要です。

歯科医師からIPRや抜歯の提案があった場合は、必要性をよく理解し、採用するかどうかを適切に判断することが大切です。

保定装置で後戻りを防ぐ

矯正治療によって歯を動かした後は、歯を支える周囲の骨や組織が新しい位置に適応するまでに時間がかかります。

インビザライン治療後には、移動した歯の位置を維持するために保定装置を装着します。保定装置を使用しないと、歯が元の位置に戻ろうとする力によって後戻りが起こり、治療効果が失われるでしょう。

保定期間は、歯を動かすのにかかった期間と同じくらい必要だと考えられています。保定装置の装着を怠ることや、装着時間を短縮することは避けてください。

後戻りを起こさないためにも、歯科医師の指示に従って保定装置を適切に装着しましょう。

高い技術を持った歯科医師を探す

治療計画の立案からマウスピースの調整、治療中の問題への対応まで、さまざまなタイミングで歯科医師が関わります。インビザラインの成功は、歯科医師の知識や経験、技術力に左右されます。

経験豊富な歯科医師は、多くの症例を扱ってきたことで様々な問題に対処する能力を持っています。また、患者さまの要望に合わせた治療計画を立て、微調整を行って最適な治療を行えるでしょう。

ただし、症例数だけで判断することは避けてください。コミュニケーションを取れることや、要望に対する理解度、治療計画の説明の丁寧さなども大切です。

まとめ

インビザラインのマウスピース

インビザラインで失敗するケースは少なからず存在します。失敗には患者さま自身で回避できるものと、歯科医師の見識や技量に左右されるものがあります。

自分自身でできることは、まずは信頼できる歯科医師を選ぶことです。そして、治療が始まったら、指示された通りにマウスピースを着用し、日々の生活の中で口の中を清潔に保つことが大切です。

治療が終わったら、後戻りを防ぐためにしっかり保定装置を付けましょう。

インビザラインでの失敗を避けるには歯科医院選びは非常に重要です。多くの歯科医院では、初回カウンセリングを無料で実施しています。カウンセリングを通じて、歯科医師の能力や人柄、自分との相性を確かめるとよいでしょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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