マウスピース矯正の治療期間はどれくらい?延長になるケースも解説!

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

マウスピース矯正を含めた矯正治療は、一般的な歯科治療と比べて治療期間が長いです。「治療期間はどのくらい?」「延長になることはある?」など、治療期間について疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

今回は、マウスピース矯正にかかる治療期間を解説します。延長になるケース、計画どおりに終わらせるために気を付けることもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正の治療期間はどれくらい?

卓上カレンダーに付箋を貼って予定を書き込む

マウスピース矯正の治療にかかる期間は、矯正範囲によって異なります。

  • 部分矯正:約6か月~1年
  • 全体矯正:約2~3年

マウスピース矯正は「前歯のすきっ歯だけ」「気になる部分だけ」など、部分的な矯正治療が可能です。治療期間は、治療する範囲や歯を動かしたい本数によって異なるため、全体矯正よりも治療範囲が限られている部分矯正のほうが短い傾向にあります。

また、マウスピース矯正は比較的歯並びの乱れが軽度なケースに適した治療といわれているため、2~3か月程度で治療が終わることもあるでしょう。

マウスピース矯正の全体矯正にかかる期間は、2~3年程度といわれています。マウスピース矯正は、1日20~22時間以上マウスピースを装着し、1~2週間ごとにマウスピースを交換して歯並びを整えます。

マウスピース矯正はマウスピースの形のズレを利用した矯正治療ですが、マウスピース1枚で動かせる歯の距離は最大0.25mmです。1枚のマウスピースで動かせる距離がごくわずかであるため、ワイヤー矯正よりも違和感や痛みが少ないといわれています。

しかし、マウスピース矯正で全体的な歯並びや噛み合わせを整えようとすると、2~3年程度と長くかかる傾向にあります。ワイヤー矯正の全体矯正にかかる期間も1~3年程度といわれているため、マウスピース矯正の治療期間が極端に長いわけではありません。

マウスピース矯正に限らず、矯正治療では歯を動かす矯正期間が終わったあとに歯の後戻りを防ぐ保定期間が必要です。保定期間は歯を動かすのにかかった期間と同等の期間が必要なので、歯を動かすのに1年かかった場合、保定期間も1年かかります。保定期間は、長ければ長いほど歯の後戻りを防ぐ効果があるため、矯正期間よりも半年ほど長く設ける場合もあるでしょう。

患者様のもとの歯並びやお口の状態、治療する範囲、歯を動かしたい本数や距離によって左右されるため、マウスピース矯正の治療期間は個人差が大きいです。実際にかかる治療期間について詳しく知りたい場合は、歯科医院を受診して相談してください。

マウスピース矯正の治療期間が延長になるケース

風が吹かれて捲れるカレンダー

マウスピース矯正の治療期間は、予定よりも延びることがあります。マウスピース矯正の治療期間が延長になるケースは、以下のとおりです。

抜歯が必要なケース

マウスピース矯正を含めた矯正治療では、歯を並べるスペースを確保するために抜歯することがあります。特に、出っ歯の場合、抜歯を行って歯を後方に引っ込めながら歯並びを整えます。抜歯を行うことで、効率的に矯正治療を進められるのです。

しかし、マウスピース矯正は、歯の移動距離が長い症例に適していません。抜歯が必要なケースの場合、予定していた治療期間よりも長くなることがあるでしょう。

複数本の抜歯が必要な場合、マウスピース矯正だけでは対応できないこともあるので注意が必要です。

重度の叢生のケース

叢生(そうせい)とは、ガタガタした歯並びのことで、歯並びのお悩みのなかで一番多いといわれています。八重歯や前後に重なって生えている重度の叢生の場合、歯を動かす距離が長くなるため、治療期間が長期化しやすいでしょう。

叢生になる原因の多くは、顎が小さく歯を並べるスペースが足りないことです。歯を並べるスペースを確保するために、抜歯を行うことも少なくありません。

上述したとおり、抜歯することで効率的に矯正治療を進められますが、治療期間が長くなりやすいでしょう。

マウスピースの装着時間を守れていないケース

マウスピース矯正では、1日20~22時間以上、歯磨きや食事以外の時間マウスピースを装着しなければいけません。

マウスピースの装着を忘れる、1日のマウスピースの装着時間が短いなどが続くと、予定どおりに歯が動かず治療期間が延びることがあります。

マウスピースの取り扱いを誤っているケース

マウスピース矯正は、マウスピースの装着によって持続的に歯に力をかけることで歯並びを整えます。正しくマウスピースを装着できていなければ、うまく治療が進みません。

マウスピースが浮いている、ズレているなど、適切に装着できていない場合、予定していない方向に歯が動く原因になります。マウスピースを歯の根元までしっかり装着することが大切です。

リファインメントが必要なケース

リファインメントとは、何らかの理由で治療がうまく進んでいない場合、治療計画を修正するためにマウスピースを追加することです。

事前の精密検査で綿密な治療計画を立てるマウスピース矯正ですが、歯の動き方には個人差があります。実際に治療を始めると、計画どおりに歯が動かないこともあるでしょう。マウスピース矯正は、マウスピースの枚数が多くなればなるほど治療期間が長くなります。

しかし、リファインメントによって理想的な歯並びに近づけるので、必要な過程と捉えるとよいでしょう。

マウスピース矯正中に虫歯になったケース

マウスピースを食事や歯磨きのときに取り外せるため、マウスピース矯正中に虫歯になるリスクは比較的低いといわれています。

しかし、毎日のケアが不十分な場合や歯磨きをせずにマウスピースを装着した場合、虫歯になることがあります。マウスピース矯正中に虫歯治療によって歯の形が変わると、マウスピースを作り直さなければいけません。

マウスピースの作り直しには1か月程度かかることもあるため、その分治療期間が延びるでしょう。追加の費用が必要になることもあるため注意が必要です。

マウスピースの紛失などのトラブルがあったケース

マウスピースの変形・破損・紛失などのトラブルが起きると、マウスピースの作り直しが必要になります。マウスピースの破損などは、治療期間が延びる原因の一つです。

マウスピース矯正で使用するマウスピースはやわらかい素材のため、丁寧に扱わなければなりません。穴があくなど、破損することがあります。

外食などでマウスピースを取り外した際、紙などに包んで保管すると、ごみと間違って捨てる可能性があります。紛失することがあるため、専用のケースに入れて保管してください。

ほかの矯正方法を併用したケース

マウスピース矯正は、歯の移動距離が長い症例には適していません。そのため、マウスピース矯正だけでは対応できず、ワイヤー矯正や顎間ゴムなどを併用することがあります。

ほかの矯正方法を併用する場合、治療が複雑化するため、治療期間が延びる可能性があるのです。

マウスピース矯正を計画どおりに終わらせるために気を付けること

黄色い背景の前で掲げられた!マーク

マウスピース矯正を予定どおりに終わらせるためには、以下の5つのポイントに注意しましょう。

マウスピースの装着時間を守る

マウスピース矯正の治療期間を延長させないためには、マウスピースの装着時間を守ることが大切です。食後はすぐに歯を磨いてマウスピースを装着する、マウスピースの装着時間が20時間より短くならないようにするなどを意識しましょう。

マウスピースの装着時間が短い日が続くと、治療がうまく進まずマウスピースの追加が必要になり、治療期間が延びるかもしれません。マウスピース矯正はワイヤー矯正と違って、患者様自身でマウスピースを管理して治療を進める必要があります。計画どおりに治療を終わらせるために、患者様自身でマウスピースをきちんと管理してください。

チューイーを使用する

マウスピース矯正の治療をうまく進めるには、マウスピースが正しく装着できていることも大切です。マウスピースの装着時間を守っていても、マウスピースがズレた状態で装着していては、予定外の方向に歯が動き、リファインメントが必要になるでしょう。

歯の根元までしっかりマウスピースをはめるために、チューイーを使用してください。

マウスピースはケースに入れて保管する

マウスピースの変形や破損、紛失などが起きると、マウスピースの作り直しが必要になるため、治療期間が長くなります。取り外したマウスピースは流水で洗い、必ずケースに入れて保管しましょう。

毎日の歯磨きを徹底する

マウスピース矯正中に虫歯になることは、治療期間が延びる原因の一つです。歯周病で歯茎の腫れや出血などの症状が出ると、違和感や痛み、口臭などの原因になることも考えられます。

毎日の歯磨きでできるだけお口の中を清潔に保ち、虫歯や歯周病を予防することが大切です。歯ブラシで全体を磨くだけでなく、歯と歯の間にはフロスを使用する、細かい部分にはタフトブラシを使用するなど、できるだけ磨き残しをなくしましょう。

定期検診に通う

マウスピース矯正は、患者様自身でマウスピースを管理して進める矯正治療ですが、治療の経過を確認するために1~2か月に1回の頻度で定期検診を受けなくてはいけません。

定期検診では、計画どおりに歯が動いているか、マウスピースの調整が必要か、虫歯や歯周病がないかなどを確認します。マウスピースの調整を行った場合、次の来院日に経過を確認することもあるため、定期検診に通わければ治療がうまく進みません。

マウスピース矯正を計画どおりに終わらせるためには、決められた通院日に定期検診を受けることが重要です。

まとめ

マウスピースを装着しようと笑う女性

マウスピース矯正にかかる治療期間は、部分矯正で約6か月~1年、全体矯正で約2~3年です。矯正治療にかかる期間は個人差があるため、抜歯が必要なケースや重度の叢生のケース、ほかの矯正治療を併用する必要があるケースなどは、治療期間が長期化しやすいでしょう。

マウスピースの装着方法が間違っていることや治療期間中に虫歯になることなども、治療期間が長くなる要因です。マウスピース矯正にかかる治療期間を延長させないために、患者様自身でマウスピースを管理し、お口の中を清潔に保ちましょう。定期的に歯科検診を受けることも忘れないでください。

マウスピース矯正を検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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