部分入れ歯を選択する若い女性はいるのか?目立たない入れ歯もご紹介

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

若い女性でも、部分入れ歯を選択する場合があります。インプラントは費用が高額で、適応条件も限られているため、選択できない方も多いのです。部分入れ歯には多くの種類が存在し、目立たないものも開発されています。自分に合った部分入れ歯を選ぶことができるでしょう。

今回は、若い女性が歯を失う原因や目立たない入れ歯についてご紹介します。

若い女性が歯を失ってしまう原因

黄色い背景の前で歯を抑える女性

若い女性が歯を失ってしまう原因は多くあります。主な原因は、以下のとおりです。

虫歯

虫歯を放置して悪化すると、最終的に歯を失います。治療をしても歯の大部分が失われる場合、被せ物が安定性しないため歯を抜く必要があるのです。

抜歯後の噛み合わせを調整するには、インプラントやブリッジ、入れ歯などの処置が必要です。

歯周病

歯周病は、現代人の多くが抱える口腔内の問題で、約8割の大人が発症しているといわれています。また、歯周病は、歯を失う原因の1位です。

歯周病は、噛み合わせの悪さや歯並びの問題、日々の口腔ケアの怠りが原因で、口の中が不衛生になることで発生します。口腔内が清潔でない場合、歯周病菌が繁殖して歯周組織に炎症を引き起こすのです。炎症が重症化すると、歯を支える歯茎や歯槽骨が溶け出し、歯がグラグラと動きます。最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうこともあります。

歯周病は、口臭の悪化や歯茎の腫れだけでなく、歯の喪失という深刻な結果をもたらす可能性があります。適切な予防と早期の治療が重要です。

外傷

特に若い方の場合、スポーツや交通事故による外傷で歯を失うケースも多いです。サッカーやラグビーなど、激しく接触する可能性があるスポーツや、自転車や自動車の事故により、歯が折れる場合や抜け落ちる場合があります。

もとの歯のように修復可能な場合もありますが、大きな外相を受けた場合は歯を失う可能性が高いです。

摂食障害

摂食障害とは、精神的な問題が原因で、過食や拒食など食事の摂取が適切にコントロールできない状態を指します。

摂食障害は、口腔内に大きな影響を与えるでしょう。例えば過食症の方は食後に吐くことが多く、胃液の酸が口腔に逆流します。胃酸は非常に強い酸性なので、歯を直接侵食して歯のエナメル質を溶かす可能性があります。エナメル質が溶けた歯は弱くなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。

顎の腫瘍

稀ではありますが、顎骨中心性がんや歯肉がんなど、口腔内の腫瘍摘出時にも、歯の抜歯が必要なケースがあります。

顎骨中心性がんや歯肉がんは、骨や歯肉に発生し、成長することで周囲の組織を侵害します。摘出の際には、近接する歯も一緒に抜かなければならないことが少なくありません。特に、がんが進行し広範囲に影響を及ぼしている場合は、影響を受けた部分を広く取り除くことが求められるでしょう。

部分入れ歯を選択する若い女性はいる?

顎に手を当てて考える女性

若い女性でも歯の問題に悩み、部分入れ歯を検討している場合があります。

特に、40代未満の若い世代の場合、ボロボロになった歯を恥ずかしく思う方や、入れ歯を装着する現実を受け入れられずに困惑する方もいるでしょう。入れ歯であることを人に気づかれたくないと思う方も多いです。周囲に入れ歯であることを隠して生活するため、会話することや人前で笑顔になることを避ける方もいます。また、歯科医院への恐怖心から治療を避けることで口内状態が悪化し、30代ですべての歯を失うケースも存在します。

しかし、「若くして歯を失う=人生の終わり」ではありません。部分入れ歯は、歯を失った方が日常生活を送るうえで大きな支えとなります。

20代から部分入れ歯の治療を受ける若い女性も増えており、入れ歯治療は決して恥ずかしいことではありません。医療技術は高度化しており、若くして歯を失った方でも適切な治療を受ければ、美しく自然な笑顔を取り戻すことができます。

部分入れ歯を選択するメリット・デメリット

merit demeritと書かれた小さなメモ

インプラントやブリッジの代わりに部分入れ歯を選択すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説します。

部分入れ歯を選択するメリット

部分入れ歯を選択するメリットは、以下のとおりです。

費用を抑えられる

インプラントの費用相場は、1本あたり300,000〜400,000円程度、ブリッジの場合、保険適用で1本あたり20,000~30,000円程度です。

一方、保険適用の部分入れ歯の費用相場は、5,000~15,000円程度です。

自費診療の部分入れ歯はさまざまな種類があり、費用も異なります。

ほかの歯を補う治療と比較すると、入れ歯は費用を大幅に抑えられることがわかります。それぞれの治療法には長所と短所があるため、費用だけでなく、自分の健康状態や生活スタイル、治療後の生活なども考慮して、最適な治療法を選択しましょう。

外科手術が必要ない

インプラント治療では人工歯根を顎の骨に埋め込むため、複数回の手術が必要です。歯茎を切開して顎の骨に穴をあけ、あけた穴にインプラント体を埋め込みます。インプラント体と人工歯をつなぎ合わせるアバットメントを装着し、人工歯を取り付けてインプラント手術は完了です。

インプラント治療は、外科手術を伴うため体に一定の負担を与えます。持病がある方や薬を服用している方、妊娠中の方などは、治療が適応されない可能性があるのです。

入れ歯治療は外科手術を必要とせず、取り外し可能な人工歯を使用します。さまざまな事情でインプラント治療が難しい方にも適応できる治療法です。

簡単にお手入れできる

インプラントは、天然の歯よりも細菌への抵抗性が弱まり、インプラントの歯周病ともよばれる「インプラント周囲炎」にかかりやすくなります。そのため、日々のお手入れや、定期的なメンテナンスが欠かせません。

部分入れ歯の場合、入れ歯のケアには専用の洗浄剤を使用します。ブラッシングと洗浄剤の使用で、入れ歯を簡単に清潔な状態に保つことができるのです。

部分入れ歯を選択するデメリット

部分入れ歯を選択するデメリットは、以下のとおりです。

見た目がよくない

入れ歯にはさまざまな種類があり、金属を用いたものも存在します。部分入れ歯は、インプラント治療に比べて見た目の美しさが劣るでしょう。金属を用いた入れ歯では、金属部分が見えるため、天然歯のような見た目を望む方にとっては大きなデメリットといえます。

審美性を重視する方は、ノンクラスプデンチャーを選択するとよいでしょう。金属を使用せず、樹脂を用いて歯肉の色に近づけることで、自然な見た目を実現した入れ歯です。

噛み心地が劣る

部分入れ歯とインプラントを比較すると、インプラントのほうが自然な噛み心地を実現できます。インプラントは顎の骨に直接固定されるため、自然の歯と同様に噛むことができるからです。

しかし、すべての部分入れ歯の噛み心地が悪いというわけではありません。選ぶ入れ歯の種類によっては、噛み心地がよいものも多く存在します。特に、自費診療の部分入れ歯は、保険適用で作る部分入れ歯よりも噛み心地がよいといわれています。自費診療の入れ歯は精密に作ることができ、患者さまの口腔内によりフィットするからです。

噛み心地を重視する方は、自費診療の入れ歯を検討するとよいでしょう。

保険が適用される目立たない部分入れ歯はある?

顎に手を当てて考える女性

残念ながら、保険が適用される目立たない部分入れ歯はありません。

前述しましたが、部分入れ歯には、ノンクラスプデンチャーとよばれるタイプがあります。金属のバネを使用せずに作られた入れ歯で、自然な見た目が特徴です。

ただし、ノンクラスプデンチャーは保険適用外のため、費用は一般的な入れ歯より高くなります。

保険適用の入れ歯は、金属のバネを用いているため目立たないとはいえません。その分治療費を抑えられることはメリットでしょう。

現在では、目立たないノンクラスプデンチャーを選ぶ方が増えており、若年層から高齢者まで幅広い年代の方が利用しています。

ノンクラスプデンチャーが人気の理由は、以下のとおりです。

  • 見た目が自然で目立たず、天然の歯と見分けがつかない
  • 金属アレルギーの心配がない
  • 口腔内にフィットするため装着時の不快感や痛みが少ない
  • 健康な歯への負担が軽減される
  • 薄くて丈夫な素材のため、割れにくく長持ちする
  • 発音しやすいため会話時のストレスが軽減する

見た目の美しさだけでなく、体への負担を軽減できることや装着感がよいことなど、ノンクラスプデンチャーにはさまざまなメリットがあります。

保険適用内の部分入れ歯は5,000~15,000円が相場で、ノンクラスプデンチャーは100,000~150,000円程度です。費用やメリット・デメリットを考慮して、検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ソファに座って歯科模型をもつ女性

昨今、部分入れ歯を選択する若い女性は増えています。「入れ歯は高齢者が装着するもの」とイメージする方が多いかもしれませんが、虫歯や歯周病など以外にも、事故などによって歯を失うことがあるでしょう。費用面や持病などからインプラントを選択できず、若い女性でも入れ歯を装着している場合があります。

しかし、残念ながら保険適用内で目立たない部分入れ歯は製作できません。ノンクラスプデンチャーという、金属を使用せずに透明な樹脂を使用する目立たない部分入れ歯は、自費診療ではあるものの、見た目のよさ以外にも多くのメリットがある部分入れ歯です。

「インプラント治療が受けられない」「入れ歯であることをできるだけ周囲に気づかれたくない」という方は、ノンクラスプデンチャーを検討してください。部分入れ歯にはさまざまな種類があるので、歯科医師と相談しながら自分に最適な入れ歯を見つけましょう。

部分入れ歯を検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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