部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらつく・抜けそうなときの対処法!

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

部分入れ歯は、残っている歯に引っ掛けて装着します。支えとしている歯がぐらついたり、抜けそうになったりすることがあります。

今回は、部分入れ歯を引っ掛けている歯がぐらついたり抜けそうになったりした場合の対処法を解説します。部分入れ歯をひっかける歯がぐらつく原因もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

部分入れ歯の装着方法

部分入れ歯

部分入れ歯は、クラスプと呼ばれるバネと人工歯、義歯床と呼ばれる歯のないピンク色の部分の3つから成り立っています。支えとする歯にクラスプをゆっくりと押し込んで、部分入れ歯を装着します。

外すときはクラスプに指をかけ、もう片方の指でクラスプがかかっている歯を押さえながらゆっくりと行います。部分入れ歯を着脱する際の注意点は、以下のとおりです。

しっかりとはめる

部分入れ歯をつけるときには、しっかりとはまるまでクラスプを押し込むことが重要です。少しでも浮いてしまうと、部分入れ歯が外れやすくなるでしょう。

クラスプの変形や、クラスプをかけた歯の痛みの原因となることもあるため注意してください。

両側にクラスプがついている場合は同時に動かす

両側にクラスプがついている部分入れ歯の場合は、片方ずつではなく同時に動かして着脱しましょう。

片方ずつつけたりはずしたりすると、クラスプがかかっている片方の歯に負荷がかかります。歯やクラスプが傷つく可能性があります。

部分入れ歯は毎日着脱するので、負担をかけ続けると支えの歯がぐらつくかもしれません。

部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらつく原因

部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらつく原因に悩む人

部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらついてしまうと、部分入れ歯を入れられなくなるのではと不安になる方がいるかもしれません。そもそも、なぜ部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらついてしまうのでしょうか。

クラスプの構造の問題

保険適用で作った場合には、クラスプをかけるタイプの部分入れ歯しか作れません。このタイプのクラスプは針金で作られており、2本の針金で歯を挟んで固定します。

クラスプで固定する部分入れ歯は、食事などで負荷がかかると歯が沈み込んでしまったり、引き倒されたりします。クラスプはあくまで歯に引っ掛けているだけで、接着させているわけではありません。

そのため、喋ったり物を噛んだりするだけでクラスプが動きます。毎日食事や会話の際の負荷がクラスプを引っ掛けている歯にかかり続けるので、ぐらつきにつながるのです。

部分入れ歯を着脱するときも同様です。とくに、入れ歯を外すために上、あるいは横に向かって大きな力が加わります。この力が部分入れ歯を引っ掛ける歯に伝わることで、ぐらぐらする原因となるのです。

部分入れ歯を引っ掛けた歯が弱かった

部分入れ歯を引っ掛ける歯には負担がかかるため、できれば強い歯を選ぶことが望ましいです。

しかし、歯全体がもろくなっていたり虫歯・歯周病になっていたりすると、引っ掛けている歯が部分入れ歯を支えきれません。負担に耐えられず、徐々にぐらついてしまいます。

部分入れ歯を作るときは、引っ掛ける歯は慎重に選ぶ必要があるといえるでしょう。

歯そのものにトラブルが起こった

虫歯や歯周病など、部分入れ歯を引っ掛けている歯そのものにトラブルがおこって歯がぐらつくことがあります。とくに、歯周病になると歯肉が下がってくるため、歯の根元に直接影響を与えます。

部分入れ歯を引っ掛けていなくても歯がぐらつきやすくなるのです。部分入れ歯を引っ掛けることで、負担がかかって余計にぐらつきやすくなります。

部分入れ歯の設計によるもの

本来、部分入れ歯を作るときには、入れ歯を支える歯にかかる力の方向や大きさを計算しなければなりません。入れ歯を支える歯にかかる負担を考慮しながら、慎重に設計する必要があります。

しかし、部分入れ歯を引っ掛ける歯の選択を間違ったり、部分入れ歯の設計そのものがうまくできていない場合もあるでしょう。部分入れ歯を引っ掛けた歯が、ぐらつきやすくなります。

部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜ける場合もある?

部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜けてしまった人

部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜けることもあります。とくに、クラスプで部分入れ歯を固定していると、前述したように食事や部分入れ歯の着脱によって抜けやすくなってしまうのです。

部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜けてしまった場合は、新しく部分入れ歯を作り直す必要があります。一般的に、部分入れ歯を引っ掛ける歯は入れ歯を装着する隣の歯が選ばれます。

支えにしていた歯が抜けると新しい入れ歯を作るときにさらに隣の歯を引っ掛ける歯として選択します。

部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜けることで、何度も作り直さなければならず負担が増えます。自身の歯がどんどん抜けていくというのは、見た目的にも精神的にも大きな負担になるでしょう。

人によっては総入れ歯になるのではないかと不安になる方もいます。部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜けるということは、精神的にも大きな影響を与えるということが伺えます。

そのため、部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらついている時は対策が必要といえるでしょう。

部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらつく・抜けそうなときは

歯科医師に相談

部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらついていたり、抜けそうになっていたりする場合には、歯が抜けないように対処していく必要があります。

歯科医師に相談する

歯がぐらぐらするときは、1人で悩まず歯科医師に相談しましょう。歯をチェックしてもらうことで、歯のぐらつきの原因が部分入れ歯によるものなのか、虫歯や歯周病などの歯の疾患によるものなのかが分かります。

部分入れ歯が原因の場合は、部分入れ歯を新しく作り直すことで状況が改善される可能性があるでしょう。虫歯などが原因の場合も、治療すれば改善できるかもしれません。

入れ歯安定剤を活用する

入れ歯安定剤とは、名前のとおり入れ歯を安定して装着するための接着剤のようなものです。入れ歯と歯肉の間につけて使用します。

本来、部分入れ歯は入れ歯安定剤を使用しなくても問題ないように作られていますが、安定剤を使用することでより入れ歯を快適に使用できるでしょう。部分入れ歯を引っ掛ける歯に過度な負担がかかることも防げます。

部分入れ歯の材質や、部分入れ歯を引っ掛けている歯のぐらつきの程度によっては使用できないこともあるため、使う前に医師へ相談するとよいでしょう。

ほかの治療を検討する

部分入れ歯以外にも、部分的に歯を補う治療方法はいくつかあります。たとえば、差し歯やインプラント治療は、部分入れ歯の代わりの治療方法になるといえるでしょう。

部分入れ歯の場合でも、保険適用外であればクラスプを使わないものを製作可能です。磁石で固定させるマグネットデンチャーや、金属を使用しないノンクラスプデンチャーなどが挙げられるでしょう。

歯がぐらついたり抜けたりすることが不安という方は、ほかの治療も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

部分入れ歯の女性

部分入れ歯を引っ掛ける歯は、ぐらついたり抜けそうになることがあります。クラスプの構造や、支えとしている歯そのものの問題などによって、負担がかかるためです。

ぐらついた状態を放置していれば、最終的には抜けてしまうでしょう。部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜ければ、入れ歯の作り直しとなって費用がかかるほか、最終的には総入れ歯となるリスクがあります。

そのため、部分入れ歯を引っ掛ける歯がぐらついていたり、抜けそうになっていたりする場合は、早めに歯科医師へ相談してください。早めに対処して、部分入れ歯を引っ掛ける歯が抜けないようにしましょう。

部分入れ歯を検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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