部分入れ歯をつけて寝ても大丈夫?つけたまま寝るデメリットも解説!

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

部分入れ歯を使い始めたばかりの人は、自分が本当に正しく使用できているのか不安になることがあるでしょう。部分入れ歯をつけて寝ても大丈夫なのか、どのように部分入れ歯をお手入れすればいいのか、悩む方もいるのではないでしょうか。

今回は、部分入れ歯をつけて寝ても大丈夫かどうか詳しく解説します。つけたまま寝るメリット・デメリットや、部分入れ歯のお手入れ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

部分入れ歯をつけて寝ても大丈夫?

部分入れ歯をつけて寝てる人

部分入れ歯をつけて寝ることは可能ですが、外してから寝ることが推奨されています。後ほど詳しく解説しますが、部分入れ歯をつけて寝るメリットよりも、デメリットのほうが大きいからです。

矯正治療を終えたばかりで歯が動きやすい人は、部分入れ歯をつけたまま寝たほうがよいケースもあります。また、噛み合わせに問題があり、部分入れ歯を外して寝ると口腔内が傷つく恐れのある人や、顎関節症の人に関しても、歯科医師からつけたまま寝るように指示されることがあります。

そうした一部のケースを除けば、部分入れ歯は外してから寝るものだと考えておいて問題ないでしょう。外して寝ることで、就寝中の細菌の増殖を防ぎ、誤って部分入れ歯を飲み込むリスクを回避できます。

ただし、部分入れ歯の適切な扱い方は、お口の中の状態や歯科医師の方針によって異なります。自己判断せずに、必ず担当の歯科医師の指示に従いましょう。

部分入れ歯をつけたまま寝たほうがよいケースはある?

部分入れ歯をつけたまま寝たほうがよいケースを考える人

部分入れ歯をつけたまま寝たほうがよいケースとしては、歯の移動を防ぐ必要がある場合と、非常時に備える場合が挙げられます。

歯の移動を防ぐ必要があるケース

就寝時に部分入れ歯を装着したままにすることで、残存歯の移動を防ぐことができます。

抜歯などで歯と歯の間に隙間がある場合、入れ歯を外して寝ると、残っている歯が空いた部分に向かって傾いたりずれたりする可能性があります。その結果、部分入れ歯がはまりにくくなったり、歯ぐきに違和感が生じたりすることがあります。

入れ歯をつけたまま寝ることで、夜間も日中と同じ噛み合わせを保つことができるので、歯列の安定につながります。部分入れ歯をつけたまま寝ることは、就寝時に起こる歯の移動を防ぐために有効です。

非常時に備えるケース

部分入れ歯をつけたまま寝ていれば、地震などの災害時にそのまま避難できます。部分入れ歯をつけ忘れる心配がなく、避難先での食事摂取もしやすくなります。

特に夜間の災害時には、入れ歯などの必需品を適切に持ち出すことは困難です。入れ歯がなければ食事も制限されるので、避難時の栄養補給にも支障が出ます。部分入れ歯をつけたまま寝ることは、非常時への備えになるといえます。

部分入れ歯をつけたまま寝るデメリット

口内炎ができた人

部分入れ歯をつけたまま寝るデメリットを確認しましょう。

細菌が増殖しやすい

睡眠中は唾液量が減少し、口の中が乾燥するため細菌が増殖しやすくなります。部分入れ歯をつけたまま寝ると、唾液が入れ歯に吸収されるので口の中がさらに乾燥して、細菌が増えやすくなります。

その結果、口内環境が悪化して口臭が強くなったり、感染症にかかりやすくなったりします。細菌による感染症を予防するためには、就寝前に部分入れ歯を外して適切に清掃することが大切です。

口内炎になりやすい

部分入れ歯をつけたまま寝ると、歯ぐきや口の粘膜が入れ歯で圧迫されます。摩擦によって口腔内が傷つき、口内炎ができやすくなるでしょう。

部分入れ歯は総入れ歯に比べ、入れ歯と歯ぐきとの接触面積が小さいです。部分的に強い圧力がかかりやすいので、口内炎のリスクが高くなります。

日中も同じ部分入れ歯を使っているので、歯茎の特定の箇所に負担が集中するでしょう。夜間は部分入れ歯を外して、口腔内の組織を休ませることが大切です。

誤飲のリスクがある

部分入れ歯は小型で簡単に外れるため、就寝中に誤って飲み込んでしまうことがあります。特に1本の部分入れ歯の場合、小さいので飲み込みやすいです。

飲み込んだ場合、消化管を傷つけるなど重大なトラブルを引き起こすかも知れません。誤飲防止のためにも、部分入れ歯をつけたまま寝るのは避けるべきでしょう。

寝る前の部分入れ歯のお手入れ方法

奥歯の部分入歯と掃除用ブラシ

寝る前の部分入れ歯のお手入れ方法を確認しましょう。

適切にお手入れをするには、何のために行うのかを理解しておくことが大切です。また、寝る前にお手入れをする理由についても知っておきましょう。

その上で、具体的な手順を確認し、毎日のケアに取り入れることで部分入れ歯を適切にお手入れすることができます。

お手入れの目的

部分入れ歯は、食事の際に食べかすや色素にさらされるため汚れすいです。これを防ぐためには、食後すぐに入れ歯を清掃することが重要です。

また、部分入れ歯の周囲は細菌が繁殖しやすい環境になります。これらの細菌は口臭や感染症の原因になり得ます。部分入れ歯を外して清掃するとともに、残っている歯の清掃もしっかり行うことが大切です。

部分入れ歯は、装着している歯や歯茎に圧力をかけます。これにより、歯肉の炎症や損傷が起こる可能性があります。適切にお手入れすることで、そうしたリスクを減らし快適に部分入れ歯を使い続けることができるでしょう。

寝る前のお手入れの重要性

部分入れ歯をお手入れするタイミングは、主に食後と就寝前です。

食後のお手入れは、食べかすを手早く除去することに重点を置いています。口内環境を清潔に保ち、細菌の増殖を防ぐのです。また、食後すぐのお手入れは、入れ歯の着色や口臭を防ぐのにも効果的です。

一方で、寝る前のお手入れは、日中に蓄積した汚れを徹底的に除去し、夜間のお口の中の環境を整えることに焦点を当てています。入れ歯を外して清掃して洗浄剤で浸けることで、ブラシだけでは落としきれない汚れを除去します。

また、入れ歯を外している夜間の間に、口腔粘膜や歯を部分入れ歯の負担から解放し、しっかりと休ませることも目的です。

部分入れ歯の夜間の手入れは、お口の中を清潔に保ち、部分入れ歯を長く使い続けるために不可欠です。食後は手早い清掃、寝る前は徹底的な清掃、というように使い分けるとよいでしょう。

部分入れ歯のお手入れの具体的な手順

部分入れ歯のお手入れの具体的な手順を紹介します。

部分入れ歯を外す

部分入れ歯のお手入れを始める前に、まずは入れ歯を口から正しい方法で取り外します。入れ歯を無理に引っ張ると破損の原因になるため、慎重に行いましょう。

取り外し方は、入れ歯の種類や特性によって異なるため、歯科医院で指導を受けた方法に従ってください。

流水で洗浄する

入れ歯を取り外したら、まずは流水で表面の食べかすや汚れを洗い流します。このとき、熱湯ではなく常温の水を使用します。

熱湯は入れ歯の材質によっては変形の原因になるため、使用するのは避けましょう。

専用のブラシを使う

流水での洗浄後は、部分入れ歯専用のブラシを使用して細かい汚れを丁寧にブラッシングします。ブラシの先を、入れ歯の隙間や凹凸部分にしっかりと届かせるようにしましょう。

力を入れすぎると部分入れ歯が傷つくので、優しく清掃することが大切です。

洗浄剤を使う

洗浄剤は、ブラシだけでは落としきれない汚れや細菌を除去するのに役立ちます。

ただし、長時間の浸け置きは避け、使用後は必ず水でよくすすいでください。洗浄剤は部分入れ歯を傷つけないタイプを選びます。市販の入れ歯専用洗浄剤を使用する場合は、製品の指示に従いましょう。

部分入れ歯を適切に保管する

洗浄が終わったら、部分入れ歯を水でよくすすぎます。その後、部分入れ歯は乾燥させずに、水を入れた容器に入れて保管します。部分入れ歯が乾燥すると変形や変色につながるためです。

保管の際は、直射日光や高温を避けてく浅い。

まとめ

部分入れ歯

部分入れ歯をつけたまま寝ることは可能ですが、基本的には外して寝ることが推奨されています。部分入れ歯をつけたまま寝ると、細菌が増殖しやすくなるのに加え、小さな部分入れ歯の場合は誤って飲み込んでしまう心配があるからです。

例外としては、矯正治療を終えたばかりで歯が動きやすい人、噛み合わせに問題があり部分入れ歯を外して寝ると口腔内を傷つけてしまう人、そして、顎関節症の人が挙げられます。

ただし、このような特殊なケースでは、歯科医師から部分入れ歯をつけたまま寝るように指示があります。歯科医師からそうした指示を受けていない人は、寝る前には部分入れ歯を外しましょう。

よく手入れしてから、部分入れ歯が乾燥しないように注意して保管してください。心配であれば、部分入れ歯の扱いについて担当の歯科医師に相談するとよいでしょう。

部分入れ歯を検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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