前歯を部分入れ歯にするメリットや種類、費用を詳しく解説!

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

前歯を部分入れ歯にするメリットは、すぐに歯を取り戻せることや費用が安く抑えられることです。また、入れ歯と聞くと金属のバネを想像する方も多いですが、その種類は増えてきており、自費診療の入れ歯なら目立たないデザインのものもあります。

今回は、前歯を部分入れ歯にするメリットや種類、費用を詳しく解説します。

前歯を失ってしまう原因

前歯を失った男性

前歯を失ってしまう原因はさまざまです。以下に、主な理由について解説します。

重度の虫歯

虫歯が進行し、歯の根まで到達した場合、抜歯が必要になることがあります。

治療後の歯の劣化

虫歯治療を受けたあとも、時間が経過するとともに歯が弱ってしまうことがあります。例として、歯の根が折れる、根の先に膿が溜まるなどの問題が挙げられます。治療によって歯を保存することが可能ですが、抜歯が必要と判断される場合もあるのです。

重度の歯周病

歯周病は、日本人が歯を失う原因の第1位です。歯周病が進行し、歯根の周りの組織が損傷すると、歯がグラグラと不安定になり、最終的に抜け落ちてしまうことがあります。

外傷

交通事故や転倒などによる直接的な打撲や衝撃が原因となって、前歯を失うこともあります。

前歯を失ったままにするリスク

イエローカードとレッドカードを持つ女性

歯を失うことは、単にその部分の歯がなくなるだけでなく、ほかの歯にも悪影響を及ぼすことがあります。以下に、前歯を失ったままにするリスクをご紹介します。

対合歯の変化

歯を失うと、その対合歯(噛み合う反対側の歯)が噛み合わせのパートナーを失い、次第に伸びてきます。

隣接する歯の動き

失った歯の両隣の歯は、空間ができた方向へ徐々に傾き始めることがあります。長期間放置すると、次々と歯が動き、歯列全体の狂いが生じてきます。

噛み合わせの影響

歯の本数が少なくなると、噛む際に偏って片側だけで噛むことが増え、噛み合わせのバランスが崩れる恐れがあります。場合によっては、顔の歪みにもつながります。

歯茎と骨の退縮

歯がない状態が長期間続くと、その部位の骨がやせてきて歯茎が下がり、歯根が露出することがあります。見た目にも大きな影響を及ぼすことがあるでしょう。

顎関節症と全身の不調

噛み合わせが正常でないと、顎関節症を引き起こすことがあります。顎が痛む、口を開けにくくなるなどの直接的な症状のほかに、頭痛・肩こり・腰痛といった全身に関連する問題も生じる可能性があります。

前歯を失った場合の治療法

治療法を説明する女医

前歯を失った場合の対処法には「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の3つが存在します。それぞれの特徴について解説します。

インプラント

インプラントは、失った歯を人工的に再生する手法で、顎の骨にチタン製のインプラント体を埋め込みます。チタンは骨との親和性が高いため、埋め込まれた際に骨の細胞が活発に生まれ、インプラントの表面の微細な凹凸と結合することで強く固定されるのです。この構造は、自然の歯根と骨が結合している状態に似ており、自然な噛み心地を実現します。

インプラントの魅力は、ほかの健康な歯を削ることなく、一度治療が完了すれば再治療の必要がほとんどないことです。さらに、インプラントは噛む刺激を骨に伝えるため、顎の骨が痩せるのを防ぎ、顔の形状の老化を遅らせる効果も期待できます。完成後の仕上がりは非常に自然で、治療を受けたことがほとんど分からないほどです。

しかし、インプラントを受ける際には手術が必要で、治療期間や費用が入れ歯やブリッジに比べて長く、高額になるというデメリットがあります。一部の方にはハードルが高く感じられるかもしれません。

ブリッジ

ブリッジは、失われた歯の両隣の健康な歯を40~70%ほど削り、それらを土台として人工の歯を連結して固定する方法です。保険が適用される場合もあるため費用的にも選択しやすく、治療後は天然の歯のような快適な噛み心地を取り戻せるのが大きなメリットです。

しかし、ブリッジ治療には注意点も存在します。まず、土台となる両隣の歯が十分な強度をもっている必要があります。なぜなら、ブリッジを取り付けたあとは土台の歯に通常よりも1.5~2倍の噛む力がかかり、その負荷に耐えられるかどうかが重要だからです。

さらに、大きく削られた土台の歯は細菌感染のリスクが高まり、結果的に健康だった歯が悪化し、抜歯を余儀なくされる場合も考えられます。

保険適用のブリッジでは、金属部分に白い硬質レジンが被せられていますが、これが時間の経過とともに黄色く変色したり、金属が歯茎に影響を与え、黒ずみの原因になったりすることもあります。見た目や品質にこだわりたい場合は、自費診療を選択する必要があるでしょう。

入れ歯

入れ歯は、残っている自分の歯にバネを取り付けて人工歯を装着する治療法です。ブリッジとは異なり、健康な歯を大きく削る必要がなく、少しの削りでバネとの段差を調整します。費用的にも体の負担の面でも、気軽に選べる治療法として注目されています。

メリットやデメリットについては、次の項目でご紹介します。

前歯を部分入れ歯にするメリット・デメリット

メリットとデメリット

前歯を部分入れ歯にするメリットやデメリットについて解説します。

前歯を部分入れ歯にするメリット

前歯を入れ歯にするメリットは、以下のとおりです。

自然な外見を維持できる

前歯を失うと、顔の印象が大きく変わってしまうことがあります。

しかし、入れ歯を使用することで、自然な外見を保つことが可能です。自費診療の入れ歯であれば、さらに自然に見せることができます。

修理や調整が簡単にできる

入れ歯は人工物であるため、破損や不具合が生じることがあります。

しかし、ブリッジやインプラントの修理と比べて、入れ歯の修理は簡単です。ほとんどの場合、即日の修理が可能で、多忙な生活を送る方にも適しています。

取り外しが可能である

入れ歯の大きな特長として、自分で簡単に取り外すことができる点が挙げられます。歯磨きがしやすく、入れ歯も常に清潔を保つことが可能です。

また、口の中で何か問題が生じた場合、入れ歯を取り外すことで原因を特定しやすくなります。

比較的安価である

部分入れ歯の場合、ブリッジやインプラントより費用が安くなることがあります。費用面で心配がある方は、入れ歯を選択するのがおすすめです。

前歯を部分入れ歯にするデメリット

前歯を部分入れ歯にするデメリットは、以下のとおりです。

慣れるまでに時間がかかる

 入れ歯は簡単に装着できるものの、突然口の中に人工物を入れることで違和感や痛みが生じることがあります。これがストレスとなる方もいるため、日常的に少しずつ使用し、慣れることが大切です。

もし、痛みや不具合が続く場合は、すぐに歯科医院に相談しましょう。

目立ちやすい

保険適用の部分入れ歯は、クラスプと呼ばれる金属製の留め具を使用することが一般的です。これにより、ブリッジやインプラントと比べて目立ちやすいという問題が生じます。

審美性を重視する方は、自然な見た目の自費診療の入れ歯を検討するとよいでしょう。

調整が必要である

入れ歯は違和感や微細な誤差が生じることがあるため、適切な調整を行う必要があります。特に、長期間同じ入れ歯を使用していると、顎の形状の変化などで再度の調整が必要となることがあります。

定期的な来院が求められることもデメリットといえます。

前歯の部分入れ歯の種類

歯の模型で説明する医師

前歯の部分入れ歯には、いくつか種類があります。ここでは、保険適用と自費診療の部分入れ歯についてご紹介します。

保険適用の前歯の部分入れ歯

保険が適用されるタイプの入れ歯に「レジン床義歯」があります。

保険適用内では、制限された材料と材質の範囲内で作製されるため、費用が安く済みます。経済的な負担は少ないものの、劣化が早い場合があり、また目立ちやすいことがデメリットです。

自費診療の前歯の部分入れ歯

<前歯の部分入れ歯の種類と特徴(自費診療の場合)>

種類 特徴
金属床義歯

食べ物の温度などを感じやすい金属を床として使用する

耐久性が高い

ノンクラスプデンチャー 金属のクラスプ(留め具)がないため、見た目が自然である
シリコーン義歯 ソフトな材質で、歯茎や粘膜への負担が少ない
インプラント義歯 インプラントを使用して入れ歯を安定させる方法である

固定感が増す

 

自費診療の入れ歯は保険適用の範囲外であるため、より多くの選択肢や機能性をもつ材質から選ぶことができます。

しかし、これらの入れ歯は高度な技術や精密な検査が求められるため、治療費用は高くなります。また、作製期間も長くかかることがある点にも注意が必要です。

前歯の部分入れ歯の費用

電卓で費用を計算する男性

前歯の部分入れ歯の費用は、保険適用と自費診療で大きく異なります。

保険適用の場合

負担割合が3割の際、前歯の部分入れ歯の費用は片顎で約3,500〜8,000円程度かかります。総入れ歯では片顎で約1万円が相場です。保険適用の入れ歯には制約があるものの、全国の歯科医院での費用はほぼ同等です。

決まった歯科医院に通院していない場合でも、費用の面で安心して治療を受けられるメリットがあります。

自費診療の場合

自費診療の前歯の部分入れ歯の費用は、歯科医院によって大きく異なりますが、一般的な相場は約15〜90万円です。使用する材料や歯科医師や歯科技工士のスキル、さらには地域や立地条件などが費用に影響します。

自費診療には固定の価格設定がないため、金額には大きな幅があります。

まとめ

歯科医院で笑顔の男性患者

前歯を部分入れ歯にするメリットは、すぐに歯を取り戻せる点と、その安さにあります。ブリッジは両隣の歯を大きく削る必要があり、健康な歯の寿命を縮める可能性があります。インプラントでは外科手術が必要になり、治療期間が長く、費用も高額です。

前歯の部分入れ歯にはいくつか種類があります。自費診療のものを選べば、自然な見た目や噛み心地を実現できる可能性があります。保険適用の部分入れ歯であれば、歯科医院によっての大きな価格差はありませんが、自費診療の場合は歯科医院によって大きく異なります。

前歯の部分入れ歯を検討する場合は、事前に費用相場を確認しましょう。実際に歯科医師に相談して、最適な治療法を選択することが大切です。

前歯を部分入れ歯にすることを検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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