インビザラインのマウスピースが浮く原因と治療への影響を解説!

こんにちは。三重県津市にある川村歯科クリニックです。

インビザライン矯正中、マウスピースが浮くことにお悩みの方が多いのではないでしょうか。インビザラインは、透明なマウスピースを装着して歯を動かす矯正方法です。目立ちにくく、装着したときの違和感も少ないため、近年人気を集めています。

しかし、インビザライン矯正中にマウスピースが浮くことがあるのです。特に問題ない場合もありますが、なかには治療計画どおりに歯が動かなくなる場合も珍しくありません。治療の長期化や歯並びの悪化にも繋がるため、早急に対処する必要があるのです。

今回は、インビザラインのマウスピースが浮く原因と悪影響について解説します。マウスピースが浮くときの対処法についても解説しますので、インビザライン矯正中の方は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインのマウスピースが浮く原因

インビザラインのマウスピースが浮いて困る女性

インビザライン矯正中に、マウスピースが浮くことがあります。マウスピースが浮くことで「矯正が順調に進んでいないのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。

インビザラインのマウスピースが浮く原因は、主に以下の4つです。

マウスピースの交換直後である

新しいマウスピースに交換した直後は、マウスピースが浮くことがあります。

インビザラインではわずかに形の異なるマウスピースを、一定期間ごとに交換して歯を動かします。新しいマウスピースは現在の歯並びとは0.5 mmほど歯とずれて設計されているため、フィットせず浮くことがあるのです。

しかし、マウスピースの浮きは数日で解消されるでしょう。マウスピース交換直後の浮きは問題ありません。数日経過しても浮く場合は、歯科医師に相談しましょう。

装着時間が足りない

マウスピースの装着時間が足りない場合、マウスピースが浮くことがあります。インビザライン矯正では、マウスピースを1日20〜22時間以上装着しなければなりません。

しかし、装着時間が足りないと、計画どおりに歯が動かないため、マウスピースが浮くのです。インビザライン矯正を計画どおりに進めるためにも、マウスピースの装着時間は必ず守りましょう。

マウスピースが破損・変形している

マウスピースが破損・変形していると、マウスピースが浮きやすいです。マウスピースは柔らかい素材でできているため、頻繁に取り外すことなどによって破損・変形することがあります。

また、マウスピースが破損・変形すると、歯を動かす力が弱くなり、計画どおりに歯が動かない原因にもなるのです。

マウスピースが破損・変形すると、マウスピースが浮く原因や計画どおりに治療が進まない原因になるため、取り扱いには十分注意しましょう。

歯が計画どおりに動いていない

歯が計画どおりに動いていない場合も、マウスピースが浮く原因の一つです。

インビザラインでは、あらかじめ歯の動きをシミュレーションし、計画に沿ったマウスピースを作製します。

しかし、歯並びの状態や個人差によって計画どおりに歯が動かない場合があり、治療計画と実際の歯の動きにズレが生じることで、マウスピースが浮くのです。

補助器具が破損している

補助器具の破損によって、マウスピースが浮くこともあります。インビザラインではマウスピースと歯をフィットさせるためにアタッチメントという補助器具を使用することがあります。

しかし、マウスピースと歯をフィットさせる役割をもつ補助器具が破損すると、マウスピースと歯がフィットしなくなり浮くのです。マウスピースの浮きを感じている方は補助器具が破損していないか確認し、異常が見つかった場合はすぐに歯科医師に相談しましょう。

チューイーを使用していない

マウスピース装着時にチューイーを使用していない場合も、マウスピースが浮く原因の一つです。チューイーとは、マウスピースを歯にフィットさせるために使用する、弾性があるロール状のチューブのことです。

指で装着するだけではマウスピースと歯はしっかりフィットしません。マウスピース装着時にチューイーを噛むことで、マウスピースを歯にしっかりとフィットさせることができ、浮きを解消できるでしょう。

マウスピースが浮いたまま装着し続けてはいけない?

マウスピースが浮いたまま装着はNG

マウスピースが浮いたまま装着し続けてはいけません。マウスピースが浮いたまま装着し続けると、さまざまなリスクがあります。

マウスピースが浮いたまま装着し続けてはいけない理由は、以下のとおりです。

計画どおりに歯を動かせない

マウスピースが浮いたまま装着し続けると、計画どおりに歯を動かすことが困難になるでしょう。

最悪の場合、マウスピースが合わなくなり、治療計画を立て直す必要もあります。治療計画の立て直しが必要になった場合は、マウスピースの再作製が必要です。

新しいマウスピースが届くまで1〜2か月程度かかるため、必然的に治療期間は延びます。また、マウスピースの再作製には追加で費用がかかる場合もあるのです。

歯並びが悪くなる

マウスピースが浮いたまま装着し続けると、かえって歯並びが悪くなる可能性があります。マウスピースが浮き、正しい位置にはまらないことで、歯にかかる力や方向が変わるためです。治療計画とは異なる歯の動きが生じるため、歯が乱れる可能性があります。

口腔の粘膜が傷つく可能性がある

マウスピースが浮いたまま装着し続けると、マウスピースの縁が口内の粘膜に当たり、傷つく可能性があります。

口内の粘膜が傷つくと口内炎が慢性化することや、口腔粘膜の潰瘍・びらんを引き起こすことがあるでしょう。

マウスピースの浮きは、計画どおりに治療が進まなくなるだけでなく、お口の健康にも悪影響を及ぼします。マウスピースの浮きが長期間続く場合は、必ず歯科医師に相談しましょう。

マウスピースが浮くときの対処法

歯医者でマウスピースの検査

前述のとおり、マウスピースが浮いている場合は放置してはいけません。マウスピースが浮くときは、どのように対処したらよいのでしょうか。

ここではマウスピースが浮くときの対処法について解説します。

歯科医師に相談する

マウスピースが浮くときは、歯科医師に相談しましょう。マウスピースが浮いた原因を特定し、最適な対処法を提案してもらえます。

前述のとおり、マウスピースが浮いたままだと計画どおりに歯が動かないだけでなく、歯並びが悪くなるリスクもあるため、マウスピースの浮きに気付いた時点で歯科医院を受診するとよいでしょう。

マウスピースの装着時間を見直す

マウスピースの装着時間が足りているか見直しましょう。インビザライン矯正では1日20〜22時間以上、マウスピースを装着しなければなりません。

インビザラインのマウスピースは、食事や歯磨きの際に取り外しが可能ですが、毎食1時間かかる場合、3食で3時間マウスピースを外すことになります。この時点でマウスピースの装着時間は21時間になるため、意識をしないと装着時間が短くなるのです。

食事や歯磨きが終わったら、すみやかにマウスピースを装着しましょう。

チューイーを使用する

チューイーを使用することで、マウスピースと歯をフィットさせることができます。マウスピース装着後、チューイーを噛み、マウスピースと歯をしっかりフィットさせましょう。浮きを感じる部分は重点的に噛んでください。

特に、マウスピース交換後2〜3日は浮きやすいため、チューイーを使用してしっかりフィットさせましょう。

1つ前のマウスピースを使用する

マウスピースが浮く場合、1つ前のマウスピースを使用することで解消する場合もあります。マウスピースが浮く原因として、歯の移動が追いついていない可能性があるためです。インビザラインのマウスピースは治療計画に合わせて精密に作られています。

しかし、お口の状態やマウスピースの使用状況により、マウスピースの形に対して歯の移動が追いついていない場合もあるのです。

歯が十分に動いていない状態で新しいマウスピースを装着すると、計画と異なる方向に歯が動く恐れがあります。1つ前のマウスピースを装着して、歯を完全に動かし切ることが大切です。1つ前のマウスピースでも浮きが解消しない場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。

まとめ

インビザラインのマウスピース

今回は、インビザラインのマウスピースが浮く原因と対処法について解説しました。

マウスピースが浮く原因は、装着時間の不足や破損・変形などさまざまです。マウスピースが浮いたまま装着し続けると、計画どおりに歯が動かなくなるリスクや、歯並びが悪くなるリスクがあります。

マウスピースが浮く場合は、早めの対処が必要です。チューイーの使用や装着時間の見直しで解消する場合もありますが、解消しない場合は早めに歯科医師に相談しましょう。

インビザラインを検討されている方は、三重県津市にある川村歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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